なが~いお付き合い

今年も東京の寺院で琵琶説教を勤めてきました。この時期、何度も登場する生年月日が同じ副住職のお寺です。毎年、一年の報告をしつつ 食事をするのが楽しみです。彼は この4月で 全国浄土宗青年会の理事長に就任しました。43才までの浄土宗侶の先頭に立つ役目です。これはなりたくてもなれるものではありません。人望、根回し、タイミング … 様々な仏縁で拝命されたことは 凄いことです。貫禄が出てきて、存在感があり、環境を調えてくれる檀家の団結がある・・・私には そんな人徳はありません(苦笑)。羨ましさというより、ただただ 同じ年月を生きてきた彼の活躍が 眩しく思えました。

会食は奥様も同席してくれました。本音をズバッという気持ちいい女性です。そんな彼女が、私達の会話を一通り聞いて 一言・・・「主人の立場は金森さんには似合わない。あなたは 寺世界での出世より、一般人を導く存在だと思うわ。これまで通り、坊さんらしさを貫いてネ!」・・・なるほど、色々な目標があっても分相応。シンプルに似合う似合わないで判断する ・・・そうすれば煩悩も整理できそうな気がします。内助の功ですねぇ。ここは羨ましく思います(笑)。

野坂礼子さんの言葉です。
自分を変えるということは、今の自分をゴミ箱に捨て、新しい自分をゲットすることではありません。スミレはスミレだからこそ、可憐ですてきなのです。タンポポは黄色の花で綿毛のような種が見事です。タンポポが「雑草は嫌、花屋で高く売れるバラがいい」といって、真っ赤なお化粧を始めたら、美しいでしょうか。スミレが、高い値段のランの花を真似して突っ張って生きたらどうでしょうか。花たちは比べないし、うらやまない、淡々とユリはユリ、サクラはサクラのまま生きています。天命を生きているからです。今のままの自分です。根っこ、つまり生き方を変えるということです。すると見事なバラやスミレ、サクラが咲き、種が実るのです。そのことが、あなたがあなたらしく幸せになる道です。どんな花もすてきです。あなたは、スミレ、ナズナ、カサブランカですか?その自分の個性を「ありがとう」で生かし天命を生きましょう。(『世界一簡単に幸せになれる「ありがとう」の魔法』マキノ出版)

” 自分らしく ” というのは、聞こえはいいですが大変です。責任を伴うからです。しかし 与えられた環境、白鳥の水かきのように 水面下では必死にもがきつつ、顔は平然と進んでいくしかありません。それが粋なんだと思います。表面にあらわれる現象しか見れず、嫉妬や悪口、無責任発言やトンチンカンな批判をする輩が蠢く中、水面下(自分らしさ)を共有できるのは至福の時でした。これも仏教を礎にして、長い付き合いの中でなされた信頼関係だと思います。合掌

副住職はいつも良いホテルを布施してくれます。高層から見ると景色が綺麗です。地上におりるとゴミゴミしたところが目に付きます。悟りとはこのような高い静かな境地なんだろうなぁ・・・と瞑想にふけました。

副住職はいつも良いホテルを布施してくれます。   高層から見ると景色が綺麗です。地上におりるとゴミゴミしたところが目に付きます。悟りとはこのような高く静かな境地なんだろうなぁ・・・と瞑想にふけました。

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