伝統と伝承

先日、秋篠宮ご夫妻の長女、眞子さまと小室圭さんがご入籍されました。日本国民としてお二人の幸せを心よりお祈り申し上げます、結婚に伴う儀式などは行われず、皇室を離れる際の一時金も支給されない異例の形でのご結婚となるようです。

この話題を考えるにつれ「伝統と伝承」という言葉を思います。この2つの違いがわからなければ、世の中が滅茶苦茶になります。

「伝統」は、時代に合わせて 先人の積み上げてきたことを次世代に残す行為や意思。
「伝承」は、時代が変わろうとも 絶対に変えてはならない根本真理。

今回のご結婚について言えば、儀式や過去の儀礼を執行されないのは「伝統」の部分で ご自身の意思と時代の流れ的要素が強いですが、皆様が話題にされているのは「伝承」の部分です。つまらない議論もありますが、その根本は 皇族の永続的な繁栄を願う国民感情の現れなのだと存じます。眞子さまがお気の毒で とても窮屈に感じることもありますが、一方で これが国の歴史の重みでもあるんだと 畏敬の念を覚えました。

堀江貴文氏が「10年続くお店」という興味深い話をされていました。
「飲食店の平均寿命が短くなっている。
3年続けばあっぱれ、といわれる業界で、10周年を迎えられるお店の少ないこと。
初期投資をして、休みも取らずに働いて、10年もたないのでは、やる意味がない。
ある程度有名になったシェフでも、人気の波が過ぎるとひっそりと業界から姿を消している。
10年以上続くお店にするには、コンスタントにお客さんがこなければだめだ。
つまり、お客さんに、いかに「また来たい」と思わせるかが鍵になる。
「そんなことわかっている」のだったら、あなたは「また来たい」と思わせるために、どんな努力をしているか考えてみてほしい。
僕が「また来たい」と思うのは、前にも書いたが驚きのあるお店。
「なんだこれは!?うまいぞ!」となれば、仲間を連れてまた行って、その驚きを共有したくなる。
SNSや「テリヤキ」に投稿して、ほかの人にも体験してもらいたいと思う。
そんな驚きを絶えず人に提供するのは並大抵のことではないだろう。
でも、実際に、人気をキープしているお店はそうなのだ。
最先端の手法や素材に対するアンテナを張り、キャッチし、自分なりのアイデアを出して実際に料理にする。
師匠に教わったことを繰り返しているだけの店は、絶対にもたない。」

(『なんでお店が儲からないのかを僕が解決する』 ぴあ)

この話も「伝統と伝承」に通じるのではないでしょうか。何も考えずに昔からしていることを繰り返しているだけでは10年と持たない。「伝統」は試行錯誤の末、続いていくものなのだと思います。堀江氏のおっしゃる ” 驚き ” とは、人間の大事な部分で、真心、誠意、サービス精神、丁寧さといったもので現れる「伝承」の積み重ねなのだと存じます。

現在、コロナウィルス感染拡大により、様々な地域の行事が中止、延期となっています。しかし、ただ合理的な行事の廃止や取りやめが良いのではなく、時代に合わせて いかに先人の知恵を後世に残す工夫が求められているのだと思います。「伝統」とは革新です。そして、その土台となるのが「伝承」(根本の真理)で、宗教を廃した合理化社会では 真なる幸福はつかめないと教えていただいた一ヶ月でした。合掌

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