今年も残りわずかとなりました。
来年は午(うま)年です。炎の性格をもつ年と云われます。午とは「正午」のことで、太陽が真上に昇り、陽の気が極みに達します。つまり、勢いと情熱が最も強く現れる時期を意味します。だからこそ、午年は「燃え方」を問う年だと言えるでしょう。
過去の午年を振り返ると、社会にも個人にも転換が起こっています。
・1966年:「学園紛争」の芽が出始めた年。→ 若者が既成秩序に火をつけました。
・1978年:日中平和友好条約締結。対立から協調への転換の年。 → 炎を「融和」に使った例になります。
・1990年:バブル経済崩壊前夜。→ 燃え上がった欲の火が、崩壊を呼びました。
・2002年:日韓W杯・北朝鮮問題の年。→ 勢いと情熱の火が交錯しました。
・2014年:SNS時代の炎上文化。→ 表現が「攻撃」にも変わり得る時代になりました。
どの午年も、「火の勢い」と「制御の難しさ」を教えています。
特に来年の丙午(ひのえうま)は、火の陽がさらに強まる年になります。古くから「気が強い年」とも言われますが、それは悪い意味ではなく、信念を貫き、行動を形にできる力が最高潮に達するということです。問題は、その炎をどこへ向けるかです。
午年とは、心の火をどう扱うかを学ぶ年。燃え尽きることを恐れず、しかし焦がすことなく、末永く、静かに燃え続けることを意識して下さい。
皆様、良いお年をお迎え下さいませ。合掌
追伸
本日は、西願寺28世 禅蓮社住誉上人薫阿浄香了芸老和尚の80回忌祥忌日でした。ご身内がいらっしゃらないので、実質 私が唯一回向できる者になります。謹んで回向をさせていただきました。南無阿弥陀仏






