盆参りも佳境になりました。もうひと頑張りです。心身の体調を調え、乗り切る所存です。仏の加護を祈ります。さて前回は、理想を求め過ぎ、人の気持ちが分からなくなった鬼を ” 天邪鬼(あまのじゃく)” と呼ぶという話をしました。初めは健気に頑張るので 好感をもたれるのですが、自分のために動くので、徐々に人の願いと反対の行動をとってしまうのです。そして、これが進んだ末期の鬼を ” 餓鬼(がき)” と言い、こうなると存在自体が嫌われ、孤独になり、飢えと渇きに苦しむという話をしました。
ブログを見た方から 多くの共感の声があり、皆さんの周りにも餓鬼はいるんだと実感しました。また 餓鬼にならない方法を具体的に教えてほしいと問い合わせもありました。その方法は理論的には簡単です。仏教思想の根幹の「明るく、正しく、仲よく」生きることです。単純ですが、これが難しい・・・これらの中でも「明るく、仲よく」は感覚的にわかると思います。ポイントは、” 我 ” を入れないこと。” 私が ” 、明るく、仲よくしてあげてる!という感覚で生きてる人は、結果優先の尺度で生きるので 、人付き合いが長続きしません。(一つの環境に1、2年が限界 → 思い通りににならず、恨みを持って退散 … その繰り返しでドンドン居場所がなくなる) 本来は一歩下がり、周りを あたたかく照らし続けるイメージが大切です。努力は他人の為になして、はじめて功徳になるのです。
まさに、「おれが おれがの 我を捨てて おかげ おかげの 下で暮らせ」の境地です。
” 我 ” を捨てるためには、「正しさ」を見つめねばなりません。この正しさが さらに難しいのです。これもポイントを言いますと、正は「一たん止まる」で正しさ・・・先ほどから申している ” 我 ” が入っていないかを確認するためには、一たん止まらねばならないのです。止まって何を確認するのかといえば、恩、感謝、お陰さま、ありがとう・・・まさに人知を超えた恵みなのです。
忘恩のトライアングルを思い出してください。①柔軟性がなく、自らの正義(こうあるべき!という偏った価値観)に生きる人、②効率重視(自らの進め方)しか認められない潔癖な人、③もっと感謝されるべき!と自らの苦労をアピールする人 ・・・すべて「自分、自分、 自分」・・・人知を超えた恵みとは正反対の、自己中心的なトライアングルにはまるのです。これが本当に危ないのです。顔が×の状態で 余裕がなく、近くにいるだけで、ジト~っと 嫌な気分になるのです。まさしく餓鬼です。そういう人に限って、自分の成長をアピールして 人を見下すので要注意です。何が正しい成長かがわからないので、恩や感謝、お陰さま、ありがとうと言ってる人を嘲笑います。また餓鬼は、劣等感が強いため 人に甘えられず、腹いせに 自分がされた嫌なことを仕返しする性質もあるので注意しましょう。自分の行動を一たん止まって見つめられないのです。このように、” 我 ” が入ると、すべての善い行いが、逆効果になります。皆様は 我の鬼(ガキ)にならぬよう、覚えておいてくださいね。恩知らずは絶対幸せになれません。合掌
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