月別アーカイブ: 7月 2016

ダブル損の幸福

今月26日で鴨長明(かものちょうめい)没 800年になります。彼が綴った「ゆく河の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず 」から始まる『方丈記』は、河の流れと 仏教の ” 諸行無常 ” を重ね合わせた随筆で、清少納言の『枕草子』、吉田兼好『徒然草』と並び、日本三大随筆にあげられます。『方丈記』では 戦乱が続き、天災や火災、人災も多かった当時の出来事が ありのままに描かれています。軽妙洒脱な長明に憧れる私は、東日本大震災を機に 平成の世で起きたことを仏教的に記せればと思い、このブログ(『平成方丈記』)を立ち上げました。 月に2回、綴って4年半・・・800年前も現代も ” 諸行無常 ” という観点からすれば、人間の悩みは 根本的に変わらないことがわかりました。人間世界は「娑婆(しゃば)」と言って「耐え忍ぶ = シャバ」世界です。そんな中、お釈迦さまは「いつでも、どんなことがあっても、心が穏やかでいられる境地を目指したい人、集まれ~!」と仏教をお開きになりました。娑婆は極楽と違い、諸行無常という中で生きねばならないハンデを背負っています。つまり 人間界は1つ損をしている世界ですが、そんな中で幸福を得るために説かれている修行が、” 陰徳 ” (ひそかに行う善行・良い意味での自己満足)です。 渡辺 和子さんの言葉を お借りしましょう。 「貰えるはずのものが貰えなかっただけでも「損した」と思うのに、こちらが与えるなんて、これでは、『ダブルの損』だと、私は思ったのである。ところが、やがて気づかされたのは、ダブルに損をすると、『得になる』ということだった。シングルの損だけにしておくと残るのは、腹立たしさや口惜しさだけであり、折りあらば仕返しをと考える自分だけである。ところが思い切ってダブルに損をすると、そこには、ほめてやりたい自分が残り「よかった」という満足感が残るから不思議だ」(『目に見えないけれど大切なもの』 PHP研究所) つまり 鴨長明のように 、諸行無常の真理と照らし合わせ、” 自己満足の範囲で、自分が誇りに思えることを行えば幸福になれる ” のではないでしょうか。見返りを求めることを捨て、思い切って ダブル損をする所から始めてみましょう!それが陰徳の修行であり、満足度のある生き方に繋がります。合掌

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信頼

平成28年も折り返しとなりました。上半期を振り返ると、私は ” 諸行無常 ” という言葉が思い浮かびます。人で言えば イメージの無常があります。例えば 清原選手、ベッキーさん、乙武さん、ファンモンの加藤さん、桝添都知事・・・あれほど好感度があり 輝いていた方が、一瞬にして色あせてしまう・・・この移り変わりは マスコミが作った幻想に過ぎませんが、諸行無常といえば諸行無常です(笑)。また熊本地震での 熊本城の 悲惨な姿、イギリスのEU離脱問題での世界の動揺などを目の当たりにしますと、 何が起きてもおかしくない世界だと見せつけられた上半期でした。 ” 諸行無常 ” は、移り変わりを静かに受け入れ、それを前向きに転ずる術を身につける思想です。しかし最近は、無常を ” 刺激 ” として捉える世論があるのが心配です。大きな変化で幸せになれるのでは … 他人が不幸になれば幸せになれるのでは … 自らを省みることなしに、偏った原因(あら)捜しや 個人批判が横行してる状況を見ていると 気分が悪くなります。皆が未熟な人間社会で、反省する者を受け入れ、互いが信頼し合い 生長していくことが 本当の修行であり、幸福への道だと存じます。 岩井 俊憲氏のお言葉を引用します。 信頼の反対の不信はどんなところからうまれるのでしょうか。多くの場合は、相手の実力に対し、高すぎるハードルを設定し、高い立場からのギャップ、未達成の部分を見る姿勢から始まります。親や教師や上司は、子供、生徒、部下に比べて知識や経験が豊富です。すると、その立場からものを見るわけですから、どうしても相手を低くしか見えません。不信感を持つ場合のメッセージにはある種の特徴があります。「タラ」「レバ」を使うことです。「あの子がもう少し素直だっタラいいのに」「整理整頓をしっかりやレバいいのに」「タラ」「レバ」を卒業しない限り、信頼は不可能ですし、そのようにみている自分の精神的な安定もありません。信頼することは、相手ばかりだけでなく、自分自身のためにも必要なのです。(『勇気づけの心理学』金子書房) 政治がよかっタラ … あのことがなけレバ … 一見、真っ当なことを言ってるようですが、他人への不信感が、かえって自分自身(信頼)を傷付けている・・・まさしく仏教の因果応報の教えです。日本人は仏教思想と共に生きてきた民族で、それが 諸行無常の自然災害がおきても、混乱や略奪を避け、忍耐強く、他人を思いやる日本人の気質にあらわれていると存じます。世界でも有数の優れた民族で、まだまだ捨てたものではありません。仏法真理にのっとって、相手を受けいれ 信頼し、コツコツと精進していける社会になるよう 布教活動をしていきます。宜しくお願いします。合掌

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