月別アーカイブ: 11月 2013

快楽の踏み車

今朝、法事に向かっていましたら、冷え込みをものともせず、朝からパチンコに並ぶ人たちの姿を見かけました。早朝から様々な思惑・欲・情熱を抱える行列に出会い、人それぞれ 労力やエネルギーの使い方が違うんだなぁ・・・と思いました。 最近、わが国では 成長戦略の一環として「カジノ構想」が持ち上がってます。それは 外国人観光客を誘致、富裕層の落金、また地域の活性化等、様々なメリットがあげられるようです。一晩で大金をつかめるとあれば 夢のような話ですが、以前、某製紙会社の前会長がカジノに溺れ、連結子会社から約100億ものお金を引き出した事件を見ると、ギャンブルがいかに人間の知性や理性を狂わせるかが分かります。東京に2カ所、大阪に1カ所設置すれば、年間9000億円位の収益があるとの試算があるようですが、この国が乱れないように、合法化の可否は 慎重に見極めていただきたいものです。 不思議なことに、人間は「お金=幸福」とは なり得ません。日本のGDP(国内総生産)は50年で7倍になりましたが、生活満足度は全く変わってないという調査結果がでています。心理学者は、これを「快楽の踏み車(かいらくのふみぐるま)」という言葉で説明しています。「経済など状況がどんなに変わっても、人間はその状況に慣れてしまし、願望を引き上げ、もっともっととさらなる満足を求める」という説です。永遠に満たされることのない欲望とのイタチゴッコを人類は繰り返しているだけかもしれません。 「世界一しあわせな国」とも言われるブータン王国は、仏教の考えに基づき国作りをなされてます。第4代国王は、国家の問題が経済成長だけに特化されることを心配し、優先するべきはGDPではなくGNH(国民総幸福量)であると提唱されました。つまり「お金=幸福」ではないことを、徹底的に追求された国と言えます。国柄の違いがありますので、日本には適用しにくい面はあると思います。しかし「幸福とは感じ方」です。国に誇りを持つことができれば、自然とGNHは上がることと存じます。 今回は「快楽の踏み車」という話をしましたが、いくら真面目な日本人でも、国が積極的に賭博場を助長すると、それが国の基となってしまいます。ギャンブルは 勤労意欲やモラルが低下する可能性があり、さらには幸福度も上がることはありません。これでは先人がせっかく築いてきた勤勉な文化も衰退してしまいます。オリンピック招致で、これから国のあり方が積極的に語られるようになりますが、今こそ より高度で 豊かな文化を目指す時期ではないでしょうか。合掌

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小さな達成感

本日は「文化の日」です。皇居では文化勲章の授与式が行われます。また、文化庁の主催する芸術祭など、文化にまつわる行事が各地で開催されます。博物館の中には この日を入館無料にする所もあるようで、普段、芸術に興味のない方でも、文化に触れるよい機会かもしれません。日本の文化を 皆で形成していきたいものです。 先日、京都當道会さま主催の演奏会で、ゲストとして琵琶を語らせて頂きました。この催しは「京都府次世代等古典芸能普及推進事業」として、文化の継承と発展を目的とされたものです。実は 会場となった、京都府民ホール・ALTI(アルティ)での演奏は 私の あこがれ でした。その理由は、以前このホールで 盲僧琵琶の故 永田法順氏、薩摩琵琶の須田誠舟氏、そして筑前琵琶の師匠、田中旭泉先生という豪華メンバーでの琵琶コンサートを拝聴したことがあり、私もいずれ この舞台に立ちたいと思っていたからです。人から見れば とても小さな夢ですが、私は 常々、”今の自分” にできた「小さな達成感」を大事にしています。他人との比較で得る達成感では、自分を見失うからです。 お釈迦さまは、『因果経』に次のようにお説き下さいます。「過去の因を知らんと欲すれば 現在の果をみよ。未来の果を知らんと欲せば 現在の因をみよ」。因は”原因”で、果は”結果”のことです。つまり、過去や未来の自分を知りたいならば、”現在の己の姿” を見よと仰せなのです。 よく悩み相談で、日々の努力が なかなか形に表れないと嘆く方がおられます。未来が見えないのは本当に苦しいことですが、しかし そのような時こそ、”現在の己の姿” を見つめ直すべきだと思います。この世界は、完璧な ”因果の法則” で成り立ちます。一寸の狂いもありません。そのために、大きな夢も大事ですが、まず ”今の自分” にできた「小さな達成感」を素直に喜び、未来への励みにすべきではないでしょうか。世界に誇る日本文化も、先人による 日々の努力や 達成感の積み重ねが、今日に伝わっているものと存じます。「文化の日」は、そういった ”積み重ね” を感じる日でありたいと思います。合掌  

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