3月15日、嵯峨釈迦堂・清凉寺でお松明式が行われました。この行事は、釈迦のご命日(2月15日)を一ヶ月遅れ(旧暦)で偲ぶ行事です。7メートルの松明を3基立て、夜に点火し、お釈迦様を荼毘に付した様子を再現します。地元の方々は、その燃え方で豊凶を占われます。
この行事は、寺内の者はもちろんですが、お松明保存会、大念佛講、狂言保存会、各自治会、警察、消防、露店商組合、消防団、少年補導、御用達会、有縁の方々の寄付等々・・・実に様々な方の尽力によって成り立ちます。
鈴木秀子氏のお言葉です。
人の手には指があり、その指1本1本は長い短い、太い細いなど、さまざまに異なるが、それぞれの指は、みな掌(てのひら)でつながっている。人も、一人ひとり比べると、背が高い低い、頭がいい悪い、学歴、職業、地位、家柄とさまざまな違いがあるが、それはこの世で果たしていく一人ひとりの “ 役割 ” 、いってみれば生きていく舞台の上で演じる役にすぎない。一人ひとりのもっとも深いところで、みな1つの大きないのちと愛で結ばれている。(『愛と癒しのコミュニオン』文芸春秋)
お釈迦さまが ” 求心力 ” となって様々な縁を結んで下さり、有縁の者が ” 遠心力 ” となって、この行事を成功に導きます。それぞれの個性があって、役割があります。その役割や使命ともいえるものに気づき、全うしていくことで、優しさや、思いやり、そして愛に生きることになるのだと存じます。みんな仏の慈悲に包まれ、繋がっていると感じたお松明式でした。合掌
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