” しゃかりき ” に頑張れ!

先日9月9日。大切な信者さまが往生されました。ここで言う信者とは 檀家と違い、願い寺がありつつも ある特定の仏や僧侶に帰依し、仏道修行に邁進される方を言います。

ちょうど9月1日、2日と信者会の旅行がありました。一泊二日で姫路方面(書写山・圓教寺や赤穂)を巡りました。その信者さまも同行して下さり「金森さんが行ってくださると聞いて参加した!」「忠臣蔵の琵琶を楽しみにしてる!」等々、目を輝かして言って下さって参加されたのが 亡くなる一週間前だったのです。神戸の中華街・南京町では、手をつないで歩きました。美味しい焼き豚の店を教えてもらい、肉まんを頬張り、喫茶店でお茶をして「このデートは私の冥土の土産や。いつ死んでも後悔ないわ ♪」と言って下さいました。その時は、お元気な様子で 冗談だと皆が思ってましたが、虫の知らせだったのでしょうか・・・バスでお別れするとき「金森お上人さん、あなたが大変なことはよくわかってる。でも ” しゃかりき ” に頑張るんやで!」というのが最後のお言葉でした。訃報を聞いて、彼女への夜念仏をしているとき、ふと ” しゃかりき ” という言葉を思い出して、改めてこの言葉をかみしめました。

ラストサムライのロケ地で有名な書写山・圓教寺

ラストサムライのロケ地で有名な書写山・圓教寺

赤穂浪士の像を祭った赤穂・大石神社

赤穂浪士の像を祭った赤穂・大石神社

神戸の中華街・南京町

神戸の中華街・南京町

教林坊・廣部光信上人のご解説です。
私たちは普段何気なく「しゃかりきに~する」と言いますよね。平仮名で書くよりもカタカナで書いたほうがしっくりしそうな言葉ですが「釈迦力」と漢字で書けば「へぇ~」とうなずかれるのではないでしょうか。
お釈迦さまは今から約2500年前インドでお生まれになり、苦しむ人々を救おうと仏教を開かれ、すべての人が平安に暮らせるように、一生懸命に教えを説かれました。ここから転じて脇目もふらず物事に望むさまを「しゃかりき」というようになりました。
「お釈迦さまの力」と思えばどんな困難でも最後までやり通せる気がしますね。
(『人に教えてあげたい仏教語Ⅰ』)

「釈迦力」かぁ・・・あらためて信者さまの言葉の重みを感じました。仏縁のある方より、色々なことを教わります。

ただ、信者さまは 最期の別れが悲しいものがあります。檀家は ” 家 ” との付き合いで、法事を通じて世代を超えた仲間になりますが、信者はあくまで個人の付き合いですので、どれだけ心が通じていても お葬式での引導は渡せませんし、最近では 家族葬が主流となり 参列すら叶いません・・・出会わなくなったらそれっきり・・・まさしく 信者さまとは ” 一期一会 ” のお付き合いなのです。その時が最期の別れになると感じつつ、皆様と大事に時を過ごそうと思います。あわよくば、願い寺を大事にされることは前提ですが、西願寺の骨仏へ たとえ骨一片でもお納め下されば、生涯大切に祀らせていただく所存です。拝む対象があることで、私の心も救われます・・・そういった檀家・信者を超えた 心のつながりを大事にしたお寺を目指すのが私の指針です。宗教離れに 少しでも歯止めを掛けるよう「釈迦力」に頑張ります!合掌

西願寺のお骨仏    お骨を 仏の体内に納め、永代まつります。

西願寺のお骨仏         お骨を 仏の体内に納め、永代まつりますので 参拝者が絶えない生きた永代供養になります。

※本日は丁度、その信者さまの初七日になります。骨仏前にて 謹んでお勤めさせていただきました。南無阿弥陀仏

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