先日5月31日、6月1日と宮城県は石巻に行ってきました。西願寺で震災被災者の骨仏供養をしているご縁で 慰問のご依頼をいただいたのです。現地では、東日本大震災の大津波で全校児童108人のうち74人の児童が死亡・行方不明となった大川小学校跡で祈りを捧げ、仮設住宅や被災者宅での琵琶説教。夜は現地の皆様との懇談等々、短い時間でしたが、皆様のあたたかいお心遣いで、貴重な体験をさせていただきました。
現地の方々は、当然 様々な感情はおありですが、それを静かに受け入れ、前向きに転ずる心をお持ちでした。いらぬ欲を捨て、今できることを淡々とされてるように見えます。環境を嘆くのでなく、” 自らの心 ” で境涯を作ってらっしゃるのです。語弊を恐れずに言えば、快適さばかりを求めている欲まみれの者より、よっぽど幸せな方々に見えました。皆さん、それほど毅然とした美しいお姿でした。
日本初のヨーガ行者、中村天風氏のお言葉です。
「地獄をつくるのも、天国をつくるのも、人の心である。心は我々に悲劇と喜劇を感じさせる秘密の玉手箱である。忘れてならないのは ” 喜びを感じるから感謝をするのではなく、まず感謝をすると、同時に喜びが生まれてくる ” これが理屈を越えた真理である。これさえ分かれば、たとえ身に病があろうが運命に非なるものがあろうとその心で一切を感謝と歓喜に振りかえ、苦をなお楽しむ境涯に生きることができる。その時、幸福の楽園がおのずから現出してくる」
このお言葉の通りです。どんな現状であれ、ありのままを受け入れること。そのことができれば、あとは感謝しかありません。自らの心で ” 幸福の楽園 ” は作れるのです。NPO法人 りあすの森の皆様、熊谷産業の皆様、仏縁をいただいた現地の皆様に心より感謝申し上げます。今後も ますます交流していければと存じます。合掌
追伸:西願寺で募金いただいた浄財は現地にお渡しさせていただきました。回向の力で有縁の方々が幸福になることをお祈りします。九拝