先日、琵琶説教で東京のお寺に伺いました。今年で10回目のご依頼でした。関東の法要は関西とは違い、法要の前に説教があります。当然、参拝者の目的は法要ですので、 説教の時間はガラガラになる可能性があるのですが、十度の仏縁で 150名の席に立ち見がでるようになり うれしい限りでした。
このお寺の副住職は、私の修行時代の同期で 2年間 同じ釜の飯を食べた仲です。しかも生年月日が同じで、今日までの14358日、同じ時間を過ごしている計算となります。私とは正反対の性格で、貫禄があり、豪快で、人の上に立つタイプです。年に一度しか会えませんが、私が求めいてるほとんどのことを 彼は成就しています。なぜ、そんなことができるのかと聞いてみましたら、こんな言葉が返ってきました。
「それは『回向(えこう)』の力だよ。僕は大の甘党で よくお汁粉を食べる。ある時、あんこの上にクリームをのせたら どんなに美味しいだろうかと思っていたら、先祖回向の申し込みがあったんだ。そして 法要を勤めたら、施主が ” クリームあんパン ” をお供えしてくれたんだよ。これで食べたい物 すべてを手に入れることができた。 めでたし めでたしだ。この回向の力こそが ゴールデンルールなんだよね。わっはっはっは!」・・・禅問答のような話ですが(笑)・・・回向の力を会得すると、自然と思いが叶うということを教えてくれました。
「ゴールデンルール」について、舛田光洋氏が わかりやすく解説されています。ゴールデンルールとは、「自分がしてほしいと思うことを人に与えよ」という法則(ルール)です。人生に幸運と成功を引き寄せるためには、絶対必要な法則なのです。なぜなら、この法則だけが、宇宙に遍満する「繁栄のエネルギー」を流し込むことができるからです。実は、私たちの周りには、目には見えませんが、繁栄のエネルギーが至るところに充満しているのです。この宇宙の繁栄のエネルギーを流しこむことができたなら、どんな望みも手に入り、人生を思うように動かせるのです。そんなとてつもないエネルギーなのです。
また、アメリカの自動車王、ヘンリー・フォードが次のように語っています。「もし、私が今まで築き上げたすべての富を失ったとしても5年もあれば取り返すことができるだろう。なぜなら、私は無限なる宇宙の繁栄のエネルギーとつながる方法を知っているからだ」。世の中の成功者と呼ばれている人の多くは、この「与えれば与えられる」という法則を意識的か、もしくは無意識的に使っているのです。ほとんどの人たちは、間違った法則の中で生きている。与えたら自分のものが減ってしまう。実際に物をあげたら自分の分は減ってしまいます。そして、多くの人は減らないように減らないように自分自身を守って生きています。だから、多くの人は満たされない人生を生きているのです。それは大きな間違いです。物を持つたびに心は貧しくなっていく。与えれば心は豊かになっていく。そして、与えれば与えるほど与えられる。「常に最高の自分を差し出し、多くの人に貢献するぞ」と生き、実践したときにこそ、最高の成功の中に生きることができるのです。(『夢をかなえる「そうじ力」』)
この「与えれば与えられる」という法則こそが「回向」の力です。もちろん見返りを求める行動は愚かですが、最高の自分を他に回し向けるこによって、真なる悦びに生かされるのだと思います。そのためには ” 我 ” を捨て、大いなる力(ゴールデンルール)にすべてを任せる勇気が必要です。これがなかなかできません。実は これが ” 信仰 ” の力でもあります。今年も 腹心の友 から大切なことを学ばせて頂きました。合掌