5月30日、晩8時過ぎに西願寺に電話がありました。夜、お寺に電話があると(お葬式の可能性が高く)ドキッとするんですが(汗)、予想外のお方でした。それは浄土宗の大本山・黒谷金戒光明寺(くろだに こんかいこうみょうじ)の藤本淨彦(ふじもと じょうげん)台下、ご本人でした。読者の方にどうお伝えしたらよいかわかりませんが、天皇陛下や総理大臣から直接連絡がある感覚で、背筋が伸びる思いでした(笑)
内容はこうでした。令和6年(2024)は、法然上人による浄土宗が開かれて850年の節目【開宗850年】となります。それに併せて、各本山では大きな催し事をされるのですが、黒谷金戒光明寺では金森の琵琶説教で盛り上げてほしいとのことでした。また850年目に向けて、各本山のトップの僧侶【台下(だいか)】が、各地の布教活動にお出ましになることを巡錫(じゅんしゃく)と言いますが、藤本台下の説法には金森が付いて法然上人の琵琶語りをしてほしいと直々にお言葉を頂戴しました。
私の性格は天邪鬼(あまのじゃく)で、本当にやりたいことをして人生を楽しんでいるので、組織が絡むことはだいたいお断りしています。しかし、今回ばかりは僧侶として一番尊敬する 台下直々のご依頼でしたので 快くお受けしました。できることは限られてますが、浄土宗のため全力を尽くす所存です。
電話を切る前の台下のお言葉が本当に心に染みました。
「各本山では手っ取り早く有名人を呼んで催し事をする傾向にあるけど、本来は浄土宗の坊さん自体が頑張らなくてはならない。そんな中、金森君を長年見ているけれど、君のたたずまい、しぐさ、話し方は本当に僧侶を志している者の風格になってきた。今までやってきたことに自信をもって前に進みなさい。私と一緒に各地を巡って布教をしよう!」
台下は本当に厳しいお方です。いつも怒られている感覚でしたが、「あぁ、見てて下さってるんだ・・・」と涙の出る思いでした。今年で僧侶を志し30年、琵琶説教を始めて20年、住職となり干支が一回り(12年)、骨仏を建立して10年と節目の年になります。最近、琵琶を習い始める僧侶や、西願寺式骨仏を建立するお寺が増えました。それはそれで、パイオニアになることができ喜んでいます。しかし 関係者からは ノウハウばかり聞かれたり、便利屋的な存在になり 寂しい思いをしてましたが、台下のお言葉で溜飲が下がり、本当に僧侶をやっててよかったと思いました。
今回の話は自慢たらしい話で 汗顔の思いですが、日記感覚で付けていいるブログですのでお許し下さい。今後、もちろん琵琶も楽しんでいきますが、最近は 自分の理想の僧侶像をセッセと造っています。それは承認欲求を持たない ” 自由な住職像 ” をもう一本柱に持ちたいんです。私は楽しいことをすれば寺院の魅力(布教)に繋がると思っています。その考えは昔から全く変わりません。
・ただの説法より、” 琵琶 ” を使ったお説教の方がワクワクしませんか? 琵琶物語から歴史や仏教を学ぶのです。今までそういう方がいらっしゃいませんでした。
・お墓を建立し、寺の付き合いや掃除、子孫への負担や無縁仏になる心配をするより、姓が変わっても親や友人と一緒に納骨され、しかも 本堂内で毎日住職のお経が聞こえる場所にある ” 骨仏 ” って素敵だと思いませんか?
安価な公共納骨所より 絶対によい環境です。住職がいますので供養の仕方も相談でき、参拝に来られる小さいお子さん(次世代)にはお菓子も差し上げ、供養の楽しさを味わってもらってます。そうして骨仏を紹介してくだされば下さるほど檀家の負担も減り、寺の消滅が多い中、長い目で見れば西願寺は繁栄するはずです。
また 合祀が抵抗ある方には個別納骨壇も設置しましたし、境内にペット墓、水子地蔵さまも設けましたので、すべて一元管理ができるのです。年会費も頂戴してません。
いかがでしょうか?・・・正しいかどうかは別として、住職12年で「あればいいな!」と思うものを形にしてきました。いくら説明しても私利私欲だと捉えられがちですが、今は ” 風の時代 ” です。もう ” ねばならないの時代 ” は終わりました。今後も仏教の基本(有難う、おかげさま、ご恩、感謝、死後の幸福)は押さえつつも 遠慮を取っ払って、未来を見据えて好きなことを加速してやっていきたいと思います。そのために私のプライベート(自由な住職像)は大事なのです。
あっ…しかし、今、私が目指している ” 自由な住職像 ” は 台下に叱られるものかもしれません・・・せっかくお褒めいただいたのに・・・やっぱり私は天邪鬼ですねー(笑)合掌