狛犬さま

ちょうど一年前、念持仏の牛頭天王像に厨子が出来たとご報告しました。今回は、神様を邪気から守る狛犬(こまいぬ)が仲間入りしてくれました。これも寄進者が現れ下さったお陰です。心より御礼申し上げます。

この狛犬はオーダーメイドで製作をしていただきました。モデルとしたのは八坂神社の狛犬にしました。

神仏研究家の桜井識子さんによると、西門内の狛犬は 晴明神社の安倍晴明も一目置く、牛頭天王、最強の眷属だそうです。

八坂神社、西門内の狛犬

特に こちらの狛犬が桜井識子さんに語りかけられるようです。
住職の携帯の待受画面です^ ^

狛犬は、諸説ありますが「高麗から伝来したので「高麗犬(こまいぬ)」と呼ばれ、後に「狛犬(こまいぬ)」へと変化したと伝わります。

高麗とは昔の朝鮮半島の呼び名です。牛頭天王は天竺(祇園精舎)から日本の富士山を目指してやって来られました。(到着地は姫路の廣峯山)その途中、朝鮮半島にも滞在されましたので、当時から狛犬(高麗犬)を従えていたのかもしれません。

◎以下は仏師、井尻一茂氏の工程です。

本来の狛犬は「獅子」と「狛犬」に分かれていました。
向かって右側の「獅子」の像は、口を開けた姿です。
対して、向かって左側に設置された「狛犬」の像は、
角があり、口を閉じています。  


過去に 区別されていた「獅子」と「狛犬」ですが、
歴史を重ねていくうちに、呼び方は「狛犬」となり、
姿は「獅子」となりました。

口を開けている像を「阿形(あぎょう)」、閉じている像を「吽形(うんぎょう)」と呼びます。一対をあわせて「阿吽」と呼び、息があっているという意味で使う慣用句、「阿吽の呼吸」の阿吽です。

「阿吽」は、世界の始まりから終わりまでを表現しています。転じて「阿吽」を模している狛犬は、この世のありとあらゆることを知る力があります。ですから、人の言葉を理解することもでき、話すこともできるようです。

日本語の五十音は 「あい(愛)」から始まり「をん(恩)」を結びとします。結局、幸福の法則は 人に親切にすること(愛)から始まり、人へ感謝すること(恩)に帰結します。

つまり、狛犬へ「阿吽(愛恩)」の思いを祈れば、邪気の審査が通り、直接 牛頭天王に語りかけることができるのです。人間、「恩」を感じることが最高の悦びです。その始まりは「愛」から始まることを心得たいと思います

八坂神社の最強の狛犬さまは、今後の住職の心のバロメーターになることと存じます。合掌

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