煙管(きせる)

今年は満年齢で厄年となりました。これは仏教思想ではありませんが、法然上人は「世の習いは大事にせよ」というスタンスですので、慎んだ生活を心掛けたいと思っています。

厄について調べてみました。男性の厄年は、本来の意味は「役年」と言って、昔の日本の風習で村単位で行われていた村の「役」がまわってくる年のことを指し、多くの神事役に参加できるようになる年のことでした。つまり、一定の年齢に達したことへの感謝、社会的な地位にもついて周りからも社会的にも認知される年齢です。その大役を果たすために 災いから逃れるためにも厄払いを受けたり、不浄を避け、行動を慎むことなどが要求されました。現在は、本来の「役」の意味が薄れてきつつありますが、心身の節目として、忌み嫌う部分が残ってしまったと推測します。

では、周りの者は 厄年の人に何をしてあげたらよいのでしょうか。それは「長いもの」を贈るのが良いと言われています。男性だとネクタイやベルト、女性ならスカーフやネックレスなどを贈ることが多いようです。今回 私はなんと・・・「煙管(きせる)」をいただきました! 長いものには長寿を願う気持ちが含まれています。

近代は嫌煙の風潮が強いですが、江戸時代の喫煙率は かなり高かったようです。文政3年(1820)に 江戸の煙草屋、三河屋 弥平次が記した『狂歌煙草百首』によると、「煙草を吸わない者は100人中2~3人であるという」とあります。特に明治期は、失業した刀職人が大量にキセル製造業界に流れ、芸術的な煙管の最盛期を迎えたようです。厄年の慎んだ生活とはかけ離れますが・・・心の長寿を祈り、粋に一服したいと思います! お施主さま、どうもありがとうございました。大事にさせていただきます。合掌

煙管  弘法市で購入した煙管盆と撮影 素敵です♪ 和文化バンザイ!

煙管                         弘法市で購入した煙管盆と撮影            素敵です♪ 和文化バンザイ!

※近代的な生活用品に囲まれた暮らしの中に、日本の伝統的な道具を取り入れ、文明と文化の調和がとれた生活をしたく思っています。素敵な物がありましたら大歓迎です!  着物や小物、SOUSOUの衣服 … 和の暮らしが楽しく、豊かになることを啓蒙する住職を目指してます。

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