運(ツキ)

皆様、お元気でお過ごしのことと存じます。私は昨年からの無理がたたってか、ぎっくり腰になってしまいました。腰痛はつらいですね。しばらく寝返りすらうてませんでした。「腰」 ”月 ”” 要 ” と書くように、やはり体の中心だと痛感しました。

療養期間は何もできません。ひたすら寝転がっていました。こんなゆっくりしたのはいつ以来でしょうか。テレビは昼番組が懐かしかったです。「笑っていいとも」、「たかじんの胸いっぱい」、「よしもと新喜劇」。昔、楽しみにしていた番組ばかりですが、タモリさんの番組が今春終了、たがじんさんの死去、新喜劇の出演者が大幅に変わってることを目の当たりにし、諸行無常を感じました。昔から当たり前のようにある存在がなくなるのは寂しいものです。体が動かなかったことで、様々なことを直視することができました。

読書もしました。印象に残ったのは 萩本欽一氏の『ダメなときほど運はたまる』という著書。この本は「運」について萩本氏の視点から捉え、運のため方、使い方をわかりやすく解説した内容です。成功するためには「運」が必要であることを説き、実際どのようなことで運がたまったり失ったりするのかを述べておられます。ダメなとき、逆境にあるときに運がたまるということで、「今は運ためてる時なんだ!」と勇気づけられました。特に感銘を受けたのは「石の上にも5年」という話です。

「たいていのことは努力すれば3年で達成できます。どんなにつらくても3年我慢すれば今度は楽しいことがやってくる。「石の上にも3年」と昔の人はうまいこといった。3年努力したり我慢すれば確かに状況は変わるかもしれないが、そこに「運」はないの。折角3年踏ん張ったんだから、あと2年続ければ運が生まれます。「石の上にも5年」。僕はいつも5年周期で物事を完成させています。」

運は5年周期・・・考えて見れば、私は今年 数えで 40才になります。また僧侶になって20年。住職は5年。琵琶説教は11年目・・・物事が5年周期で完成であるならば、今年は本当に節目の年になります。今まで「運」(ツキ)は、走るためのガソリン程度にしか思ってませんでした。しかし、一旦立ち止まることで「ダメなとき、無駄と思えることこそ運(ツキ)がある」と学び、そろそろ懐の深い生き方をすべき時なのかと思いました。

” ツキ(月) ”” 要 ”と書いて「腰」。今回の腰痛から、仏のメッセージをいただいた気がします。ありがたい”2度目の成人式”でした(笑)。合掌

 

 

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