本年、最後のブログとなります。令和4年は 住職の様々な節目と言うこともあり、私自身のプライベートを沢山載せました。最後はやはり「琵琶説教」について話したいと思います。
昔は 行事でお寺に集まると、お坊さんによる法話(説教)が付きものでした。幼心のイメージは、檀家がその説教を楽しみにされてるように見えました。しかし、僧侶となり冷静に聴衆を見てますと、時代と共に人々が興味を失っていってるように見えました・・・琵琶という芸能も同じです。日本一有名な楽器なのに 聞く機会がなかなかなく、いざ聞いても言葉が難しく、寝られる方が多いのです。(すべて個人の見解ですが)
そこで、日本的精神的支柱である この2つの和文化に興味を持ってもらえないか?と考え、合体させたのが「琵琶説教」です。お説教の題材は、琵琶物語を教訓にし、琵琶演奏はナレーションや台詞を入れて、人間が集中できる15分までに押さえ、残りの時間は時代背景や仏教的な教訓に当てるようにしました。これによって何席でも応対でき、現在は30ほどの題材を作っています。
「琵琶説教」を発願するに当たって、頼った神が弁才天でした。ご存じ、弁才天は七福神のお一人です。元々はインドの河の神・サラスバティです。河の流れは音を伴います。その音から弁舌、才能(音楽、芸術)の神として輸入され、日本では琵琶を持たれてます。弁舌、才能の神を略して弁才天。まさに「琵琶説教」そのものです。
*弁財天とも書きますが、これは財宝の御利益目当ての方々の後付けです。
最近は牛頭天王の名を多く語ってますが、元々は何もないところから弁才天に祈りを捧げたことからすべてが始まりました。今も「琵琶説教」がある時は、必ず弁才天に手を合わせてご加護をいただいてます。私は様々な神仏に守られて幸せです。来年も信仰生活の素晴らしさを伝えられたらと存じます。本年もありがとうございました。合掌