修正会(令和2年) 子年の心構え

新年、明けましておめでとうございます。令和最初の正月になりました。旧年中は ひとかたならぬご尽力をいただき、心より感謝申し上げます。また、本年も 相変わりませぬようお願い申し上げます。今年も1月1日の10時から修正会を勤め、壇信徒を始め 参拝者と共に一年のご多幸を祈りました。その時の法話を掲載します。

令和2年の元旦となります。皆さん、この元旦元日の違いはご存じですか?「元」は「はじまり」の意味。ですから 元日は1月1日のことですね。一方、元旦の「旦」という字は、絵にするとこうなります。ーは水平線で、日は太陽・・・

一は水平線で、日は太陽=旦

一は水平線で、日は太陽=旦

ですから 初日の出を意味し、大きく見れば1月1日の午前中を元旦といいます。まさに 今の時間帯ですね。昔の教訓に 「一年の計は元旦にあり」とありますが、まさに今、この時間の過ごし方が 一年間のあなた自身の姿なんだよ!って事です。逆に言えば 恐ろしい教訓ですね・・・今、口を開けてカ~って寝てたら、その姿が この一年のあなた自身と言うのです(笑)。

特に今年は十二支でいえば1番目。始めの干支になりますので、大きな節目になります。今年の干支は 子(ね)年です。この字で「ねずみ」・・・「子」は 増えるを意味する「孳(し)」が語源で、植物に例えると 種子の中に 新たなる生命が宿った状態を表します。つまり、大いなる可能性(繁栄)への礎の年と読みます。

たしかに ネズミは「ねずみ算」という言葉があるほど、子供をどんどん産んで 数を増やしていくことから「子孫繁栄」の象徴でもありますし、また、株の世界にも「子年は繁栄」という格言があり、子年は株価が上昇する傾向にあると言われています。今年の東京オリンピック・パラリンピックによる経済効果を考えると、その格言もあながち間違いではないかもしれません?!。

では、今年は どのような心構えで生きればよいのか?・・・十二支の中で最も小さく、弱いネズミが最初に当てられたのは、新しい十二年を始めるにあたり、まずは自らの弱さを知ることが大切であると言われます。何事も謙虚であるからこそ、周りの理解や協力を得られ、着実に歩むことができるのです。自らの弱さを知るからこそ、相手の弱さも理解ができ、お互いに助け合うことができるのです。その精神が ” 繁栄 ” の礎となります。

また ネズミは「ねずみ=寝ず身」という字にも当てられます。ネズミには行動力があり、一つ一つの動きは小さくても 継続していくことで、やがて大きな成果に繋がるといいます。” 繁栄 ” の陰には 横柄なことをせず、自分を知り、謙虚になり、できるだけ功徳を積むことが吉となります。将来の種子を温めるためにも、「ねずみ=寝ず身」(徳積みの継続)を心がけて下さい。

そのためには、徳を積める お寺の存在は益々大事になります。今年は 種子の中に 新たなる生命が宿った状態であり、そう言った意味で吉凶は不安定ですが、丁寧に温めれば、未来への大いなる可能性(繁栄)の礎の年となることと存じます。

「一年の計は元旦にあり」・・・どんな時代になっても 西願寺に縁のある皆様は、1月1日10時の修正会の精神は無くしたらダメだと思います。やはり、仏様やご先祖さまを大事にしている人こそ、 未来への ” 繁栄 ” があるんだろうと確信します。本年も宜しくお願いします。ご清聴、誠にありがとうございました。同唱十念

 

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