新年、明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願いします。本年、令和4は寅(トラ)年です。本来、この字は「イン」と読みます。寅は「引」や「伸」の「イン」の同義語で、意味は「草木が伸び始める状態」を表します。ですから、精進をすれば少しずつ活気が出てきて、万事順調に進みはじめる年だと言えます。
ただ、時代が大きく変わりつつあることを意識して十二支を指針とすべきです。よく勉強されている方は、現在は「風の時代」だと聞かれたことがあると思います。これは西洋の占術学で、理屈はこうなります。
天体にある木星と土星は地球に大きな影響を与えると言いますが、この二つの惑星は20年に一度 ピッタリ重なります。これをグレートコンジャンクションといいます。しかし 約200年に一度、重なり合う惑星の配置が変わり、その時から地球に住む人間の価値観や精神性がガラッと変わるというのです。2020年12月22日から配置が変わったと言いますので、約一年前から始まった新たな時代を「風の時代」と言います。
ちなみに その前は「地の時代」と呼ばれてました。重なり合う惑星の配置が変わるというのは、今までのグレートコンジャンクションは「牡牛座、乙女座、山羊座(地の星座)」の中で重なり合っていましたが、一年前から「水瓶座(風の星座)」の中で重なり合ったことから「風の時代」と言うのです。
この時代はこの先220年ほど続くとされていますので、今を生きている人々は、これから先の生涯「風の時代」を生きることになります。では どんな価値観に変わるのでしょうか。
住職も流行に乗らず、冷静に「風の時代」の幕開けを見てきましたが、当てはまるものばかりで驚きました。最近の悩み相談のほとんどが、地の時代と風の時代の価値観のギャップに苦しんでおられるのです。コロナの影響もありますが、この一年で人々が 「風」のように自由に生きることに価値を求め、働き方やお金に対する価値観も大きく変わった気がします。
ところで 我々の生きた「地の時代」とは、約260年前の産業革命の時代から始まったようです。物、金、権力、ステータス、ブランド、不動産、終身雇用など形ある安定したモノものを重んじる物質主義で、目に見える資産形成に価値が置かれていた時代です。産業革命から始まり、それが行き着いたところが現代の大量生産・大量消費の世界でした。また 精神面では実績を信用し、組織の伝統を大切にする、我慢や根性が大切とされてきた時代でもありました。振り返れば、まさに土(地)のように しきたりがガチガチに固まった時代だったように思います。
この「風の時代」は、「風」が目に見えないように、形のないものに価値観を見いだす新時代として、「所有したい」という物質的欲求から「知りたい(情報、知識、人脈)」という精神的欲求へと人々の関心が変遷されると言われています。つまり、企業や組織など長い物に巻かれる時代は終わり、上下関係や他人の目などは関係なく、自分流で生きていく時代となります。
どうぞ、皆様も今年から新たなものを挑戦してみる年にされればと存じます。まずは他人の目を気にせず、自分が本当に良いと思うものを好きになれればいいですね。寅の干支の意味通り、精進をすれば少しずつ活気が出てきて、万事順調に進みはじめる年だといえます。今年も宜しくお願いします。合掌