念誉昭憲代の授戒会

5月3日、4日、5日にかけてる授戒会(じゅかいえ)を勤修しました。当初は雨の予報でしたが、牛頭天王への成功祈願、氏神の青根天満宮、御澤神社(聖水)への晴天祈祷、さらには 役員や受者85名の熱意によって、3日間とも見事、晴れ渡りました! 本当に神仏のご加護を感じた儀式でした。

3日とも穏やかな晴天でした。
龍雲が祝ってくれてます^ ^

今さらですが、授戒会とは 戒(仏教的習慣)を守ろうとする生き方を通じて 人生の巡りを良くすることを念じる儀式です。鑑真和上の時代から伝わる 宗派を問わず行われる叡智です。

オリエンテーション(足揃え)の様子

僧侶が心得を説明します。

初日は主に「剃度式(ていどしき)」を行い、頭に剃刀(かみそり)を当て 出家の儀式をし、仏教徒の証である袈裟(けさ)を授けました。これで授戒を受ける資格が得られます。

まず聖水で頭を清めます。

次に剃刀を当て得度していただきます。

次に西願寺代々伝わる
袈裟(伝統の重み)を感じていただきます。

最後に仏教徒の証の袈裟を授与して、
授戒会に入る資格を得ます。

2日目は 説教や先祖回向を通じて、仏教の生き方を学びます。「戒=シーラ(仏教的な習慣)」を学び、真なる幸福について聴聞しました。戒を守れる守れないは別にして、仏教では知らない方が罪となります。まず戒を知ってもらう「知戒」が目的です。

戒を6時間かけてお説き下さった
願故寺のご住職、北元明教上人

私のたっての希望でした。

回向師の岸川知徳上人
哀調を帯びた声と共に
先祖さまの回向をして、
感謝の心と一体になります。

最終日は「正授戒(しょうじゅかい)」によって、諸々の仏や菩薩をお招きし、戒を知って行動することによって 頭上から不思議な力が降りるように祈願しました。

まず、脇導師に心得を伝授していただきます。

羯磨(かつま)の段
「如来の働き」等を12項に分けて
授けていきます。

謙虚な気持ちで、力をいただく準備をします。

最後に説戒師の太鼓の音と共に、
不思議な力を下ろしました。

その後「懺悔式(さんげしき)」で、書いてきてもらった人生の反省文を仏の前で燃やしていただき、「戒名」(仏教名)を授けます。本来、戒名は生前に授かるもので、その名前を使うことによって 仏や先祖に護られた生活を送ることができます。特に住職は85名分、画数までこだわりましたので効果は抜群です。

ある受者の巻物
巻中には伝来等が記しています。
度牒(どちょう)は、
剃度で仏教徒になった証で授ける名前
戒牒(かいちょう)は、
授戒を受けた証で授ける名前
浄土宗では、修行の積み重ねで
戒名が長くなり、
家の誉れとして祀られます。

本尊前で反省文を燃やして、
住職から戒名(仏教名)を授与

仏の子として新生していただきます!

戒名を授からずに亡くなった方の為に、
遺族が代わりに受ける風習もあります。
これを「贈り授戒」と言います。

贈り授戒の受者
背中に塔婆を背負い、亡き人と
共に行を受けていただきます。


おそらく、受者は何が起きているかわからないと思います。しかし、その時から「戒体(かいたい)」が発動して 人生の巡りが良くなるのです。

ざっと、このようなプログラムが西願寺の授戒会となります。いわゆる仏教を通じて運気をあげる儀式をした訳です。これが約40年に一回。私(念誉昭憲)の代で最初で最後の授戒でした。

授戒会は ” 洗脳 ” ではなく、” 洗心 ” です。人生の巡りが良くなるかどうかは、今後の受者の心掛け次第です。その種まきは させていただきました。合掌

〜つづく〜

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