新年、明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願いします。
さて、今年は辰年です。毎年申してますが、干支というのは、この世界の森羅万象を12に区分けしたものになります。5番目の辰は季節でいえば5月に当たります。つまり、新緑が勢いよく芽吹いていく季節になります。このことから、辰年は成長や発展の年だとされます。
元々「辰」という字は「ととのう(整)」や「ふるう(振)」といった意味があり、今までの努力や忍耐が整い、振るって具体的な形になっていくのに適した年とも解釈できます。
「手で辰を動かす」と書いて「振」の字になります。大黒天が打ち出の小槌を振ると小判が出てくるといわれますが、この小槌は精進を象徴しており、努力が報われる功徳があります。そう考えると、小槌は辰(龍)そのものなのかもしれません 。努力が報われたい方は、今年は大黒天をお詣りされるのが吉だと存じます。
十二支それぞれに、動物があてはめられるようになるのは後代になってからですが、十二支の中では唯一想像上の動物であるのが龍になります。実は、9つの動物が合わさった生き物だと云われます。
中国では「角はシカ、耳はウシ、頭はラクダ、目はウサギ、鱗はコイ、爪はタカ、掌はトラ、腹はミズチ(妖怪)、首筋はヘビ」だとされています。
この9つの動物を組み合わせて描いてみると、龍の絵が出来上がります。種々合わさって完成することから「ととのう(整)」と訳されたのかもしれません。つまり、万物が相整い、振るって発展する様を、天に昇る龍に喩えたのではないかと思われます。
しかし、良くも悪くも具体的な形になりやすいことに気をつけなければなりません。良いことや自らが願うことが具体的な形になるのは歓迎できますが、悪いことや不本意なことさえも具体化しやすい年でもあります。決して龍の逆鱗(げきりん)に触れる行為は控えましょう。善悪の判断、自分を抑える心、周囲への配慮をしっかりとなせば飛躍の一年となることは間違いなしです。
年明けから龍が暴れているような荒れた幕開けになりました。最後は物事が整い、幸が振り溢れるような一年であることを心よりお祈り申し上げます。合掌