東日本大震災追悼法要(平成29年)

3月11日、東日本大震災追悼法要を勤めました。震災から丸6年。仏教でいうところの七回忌に当たります。国民の関心が薄れつつある中、協力や援助が形骸化してきた今日この頃です。被災地では 震災での傷も癒えぬまま、具体的な方向性を決めねばならない時期にさしかかっています。宮城県石巻市・大川小学校の保存議論は その一例ではないでしょうか。たしかに命を落とされた場所が観光地になれば、被災者や遺族はたまりません。そのような繊細な部分(ジレンマ)に、宗教がお役に立てればと思っています。

震災被災者(ちさと様)の遺骨を納める骨佛。台座には15000名余の震災被災者の芳名を手書きで納めています。

震災被災者(ちさと様)の遺骨を納める骨佛。台座には15000名余の震災被災者の芳名を手書きで納めています。

住職になると 様々な光景を目にします。最愛の親兄弟、子供を亡くされた方、自殺や不慮の事故での急な別れ … 皆さんの悲しみに寄り添うのが僧侶の役割です。そして その苦しみを転じ、悦びに向けていくため、粘り強く法を説き続け 時間を待ちます。幸福になりたいという念いは同じでも、これがなかなか難しいのです。相手の人生哲学を受け入れつつ、自然に、自然に・・・ ” リピートに耐える ” ・・・これは 今 流行の派遣坊主ではわかりません。生意気なことをいえば、住職でなければわからない心境です。

ダニエル・T・ドルービン氏のお言葉です。
人にはそれぞれ歴史がある。現在に至るまでの人生を、そして今の自分という存在を作ってきた物語だ。さまざまな偶然と出来事を経験した末に、あなたは今この状態にいる。今の状況にあなたを運んできた過去の出来事を変えることはできない。だが、未来は変えることができる。これまでの人生は面白く、エキサイティングで、やりがいあるものだったろうか。それとも重苦しいだけの人生だったろうか。どちらにしても、未来の物語はこれから書かれる。あなたの未来は、今この瞬間からはじまる。大事なのはここから何をするかだ。ここをスタート地点として、よりよい人生が始まる、限りないチャンスとすばらしい経験にあふれる人生が始まると思えばいい。(『腐ったバナナを捨てる法』 サンマーク出版)

どんな状況でも ここがスタート地点です。しかし、積み重ねの心がないとブレていきます。この法要は イベントや自己実現のためにしているのではありません。・・・念いが形骸化せぬよう、初心を忘れない ・・・この感覚が、被災者への何よりの供養だと思います。今年もありがとうございました。合掌

今年もお気楽さんによる、ハーモニカ演奏を奉納いただきました。その他、里田昭美様ご一行による牡丹餅、巽哲男家による飴の供養等、皆様のお心が込った法要でした。

今年も お気楽さんによるハーモニカ演奏を奉納いただきました。その他、里田昭美様御一行による牡丹餅、巽哲男家による飴、吉川一子様のミカンの供養等々、皆様のお心が込った法要になりました。

愛知、大阪、京都、滋賀から50数名の参拝者がありました。檀家以外で、宣伝もなく法要にこれだけの方々に参詣いただけるのは嬉しいものです。骨佛に納骨の諸精霊も” 生きた永代供養” に大層お喜びだと自負しています。

今回は 愛知、大阪、京都、滋賀から50数名の参拝者がありました。檀家以外で、これだけの方々に ご参詣いただけるのは西願寺の強みです。しきたりに拘らず、様々な方々が詣れる環境を作っていますので、檀家の皆さん(特に若い方)も是非ご活用下さいませ。

住職からは、法要後の琵琶説教、樒によるお清め、お札の授与をさせて頂きました。

施主の住職からは、法要後の琵琶説教、樒によるお清め、お札の授与をさせていただきました。多くの御参拝に感謝申し上げます。骨佛に納まる諸精霊も” 生きた永代供養” に大層お喜びだと自負しています。

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