先月後半の1週間は、山口県へ琵琶説教に行ってきました。合計10回の長席。ご住職や法類さま、若い僧侶、裏方の皆様がお世話をして下さり、無事に勤めることができました。控えの間では 私の一挙手一投足に気遣いを頂戴し、こんな王様気分は 後にも先にもないかもしれません(笑)。おかげで体調も万全。最終席は、聴衆の皆様に大きな拍手で見送られ、次回へのアンコールまで頂きました。法要は 心で味わうものですので、説教での拍手は本来ありません。しかし、みんなの力で成し遂げた法要です。おもいを形で表して下さるのも良いものでした。
今回は2ヶ寺での説教でしたが、後の5日間お世話になった御寺院は 210年の歴史のある法要でした。画像を見れますでしょうか。本堂の前には大きな角塔婆が建立されています。
法要中の塔婆回向の様子。僧侶や役員が総出で 塔婆をまわしておられます。
その他にも お稚児さん、二十五菩薩お練り、露店等で賑わい、盛大な法要でした。
斎藤 茂太氏のお言葉です。
人もお酒もゆっくり熟成する、「一夜漬け」はそれだけのもの。「早く、早く」と急いでばかりいては、ゆったりとした豊かな人間は育たない。人は菜っぱや豆とはちがって、なかなか促成栽培というわけにはいかない。最初はたっぷりと時間を与えよう。効率や早い結果を望む気持ちは誰しもあり、それがわからないわけではないが、本当によい結果を生むのは、あまり焦らぬこと、急がぬことだと思う。(『「ゆっくり力」ですべてがうまくいく』新講社)
この法要も一日にして成らずです。210年の歴史で 様々な変遷を経て、今の形に成ったと思うと感慨深いものがあります。世知辛い現代社会ですが、将来を考えるならば、効率を求めるより効果(信頼や満足)を1つづつ作っていくことが大切だと学びました。長い歴史ある法要、長い塔婆の回向、長席の説教・・・またまた長いものつながりで、福をいただいた気がします(笑)。皆々様、本当にお世話になりました。合掌