桜の入学式

今年の入学式は、ちょうど桜の開花時期に当たりました。今の私達には入学式と桜は一体のように思いますが、ある方から明治初期の入学式は9月だったと教わりました。それは高等教育学校や師範学校の先生のほとんどが欧米人で、外国の制度を取り入れていたからだそうです。しかし、国が4月1日から翌年の3月31日を「年度」としてくくった為、国からの補助金や早めの人材確保の関係上、今の時期になったようです。

しかし、平安時代の官人の任命は3月(現在の4月)といいますので、昔から我が国の「年度始め」はこの時期だったのです。明治時代、欧米に合わせようとしたものの、やはり日本には「春始まり」の方が向いていたのでしょう。やはりその国の土壌に適した時期があるのだと思いました。

国民性も同様です。日本人は勤勉にして誠実、責任感旺盛で協調性に富み、忍耐強く礼儀正しい。先人達の努力によって日本は「人材」という世界一優れた資源を持つようになりました。しかし、この国の気候・風土・歴史・文化など国の土壌を一切考慮することなく「個」を全面に押し出し「主張は美徳」とする外国の教育が日本の土壌にあっているのかといえば疑問符です。日本人は体格も小さく、桁外れの才能にも恵まれてもいません。どちらかといえば集団で力を合わせることで、無類の力を発揮する国民だと思います。個人がバラバラに存在しては世界に貢献はできません。

「協調性」と「自己抑制」は表裏一体です。これから入学される方々は「自己主張」も大事ですが、この国の美徳である「協調性」も意識して学んで頂ければと存じます。入学式の時期にあたり、改めて先人達から受け継いだ貴重な資源を捨て去ってはならないと思いました。合掌

 

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